カーブース国王のイラン訪問
2013-08-30
8月25日から27日の3日間、カーブース国王はイランを私的訪問し、新たに大統領に就任したロウハーニー、そして最高指導者であるハーメネイーと会談しました。会談では、経済分野を始めとする様々な分野での二国間関係の強化、地域・国際情勢について協議されました。
今回の訪問は、ロウハーニーが大統領に就任してから最初の国家元首による訪問であることから、二国間関係の親密さを示す象徴的な出来事として内外から注目されています。
特に、カーブースによるイラン訪問は、1979年のイラン・イスラーム革命以降では2009年の訪問に続く2回目の訪問であり、滅多に見られない動きであることから、何か特定の問題について協議したのではないかという憶測が各地で流れています。
その最たるものが、米国とイラン間の仲介に関するものです。米国とイランは、1979年の革命以降、断交状態にあり、近年ではイランの核兵器開発疑惑をめぐって対立を深めていました。新たにイラン大統領に就任したロウハーニーは、欧米諸国との関係改善を訴えており、これまでも長らく米国・イラン間の仲介役を務めていたオマーンが、この機をとらえて両者の仲介に動いているのではないかと見られています。
オマーンは「静かな外交」を好み、外交の成果を喧伝することがほとんどないため、今回のイランでの会談でどのようなことが話されたかは分かりませんが、米国とイランとの関係についても話題に上がったことは間違いないでしょう。今後の国際政治の動きに注目です。
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