ワカンでお花見 Apricot Blossom Viewing in Oman

2014-03-08

 
日本では、寒さも徐々に和らぎ始める3月、東京でも梅の花が満開を迎え、4月に向けて桜が花を咲かせる準備を始めます。一方、アラビア半島にあるオマーンの首都マスカットでは、既に最低気温が20度を超えて、日中は30度に迫る勢いです。雨の降らない灼熱の地と思われがちですが、オマーンは自然豊かで、マスカットやソハールの後背にハジャール山脈を擁しています。
その一部であるジャバル・アフダルの中腹で、この季節、日本より一足先に春の恒例行事を楽しんだ在留邦人の方から、現地のレポートを頂きました。

ワカンでお花見

2月のある週末に,桜に似た杏の花が咲くというワカンへ行ってきました。マスカットからバルカ,ナハルを通って車で約2時間。終盤はひたすら山道を登ります。4WDでないと行けない急勾配の砂利道ですが,道が狭いのなんの。もちろんガードレールもありません。ヒヤヒヤしながら上っていくと,いつの間にか通ってきた道がかすんで見えません。かなりの高さに来ていました。無事ワカンの村に到着し,車の温度計を見るとマスカットとの気温差約10℃。空気が少しひんやり感じました。

花見1 花見3
村を通る階段を上っていくと,日本の畑のような青々とした光景が。久々の緑に癒やされていると,「あ!桜だ!じゃなくて杏だ!」すぐに杏の木を発見しました。例年よりこの冬は寒かったこともあってか,まだ3分咲きという程度でしたが,本当に桜の花にそっくりでした。そして眼下に広がるオマーンならではの雄大な景色。天気もよく,鳶や大きな鷲が気持ちよさそうに飛んでいました。
花見4
また,遊歩道にそってファラジュ(水路)が延々と伸びており,透き通った水が豊富に流れていました。二股になっているところでは片方に土嚢を置き,水の流れを調整しているようでした。ワカンのような山の上の小さな村でも,デーツや杏,その他の植物が栽培できるのはこのファラジュのおかげです。古くから引き継がれるオマーン人の知恵に脱帽です。

ところで,ここはなんと言ってもオマーン。これでもかというほどたくさんのデーツが生えています。桜(のような杏)と並ぶデーツの木,日本とオマーンの素敵なコラボレーションも見ることができました。
小さな休憩所もあり,持ってきたお弁当を広げて一足早いお花見を楽しむことができました。久々に仕事を忘れてのんびりと,自然に癒やされた週末でした。

花見2
(オマーン在住 M・N)