人間とチンパンジーについての講演会が開催されました
2016-03-13
2016年3月3日に東京広尾のオマーン大使館で、オマーンクラブ会員で東京大学教授・長谷川寿一先生をお迎えし講演会が開かれました。昨年に引き続き2016年も多才な当クラブの会員が講演会講師を務められます。
「ヒトとチンパンジーの間:チンパンジーを鏡として人間とは何かを考える」と題された先生のご講演では、冒頭に2年間もの間マラリヤその他の病気と闘いつつ日々洗面器一杯の水で生活され、野生のチンパンジーをご夫婦で観察されたアフリカのタンガニーカ湖とオマーン帝国が東アフリカで経営したタンガニーカ(現タンザニア)を含むザンジバル王国が紹介されました。
チンパンジーから進化した人間とチンパンジーのDNAの違いはわずか1.2%であるという事実やチンパンジーの持つ「瞬間的記憶力」のビデオでは誰もが「目からうろこ」を経験したひと時でした。またチンパンジーと人間の違いでは脳の大きさ、社会性(オスとメス・オス同士の関係)や繁殖年齢やその期間、食料の種類・確保、特に人間間のみに存在する「協力」や「知識の伝達」などが説明されました。
二足歩行を始めた人間が自らの環境を自らの手で改変してきましたが、現在に至る地球環境の変化にどう対処するかなど、「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか」(ゴーギャン)が私達現代人のひとり一人が深く考えるべき命題であることを強調され終了しました。
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