今月のアラビア語 3月

2017-03-14

(アラビア語と辞書)

アラビア語は昨年10月に掲載しました様に基本全ての単語は3子音(語根と言います)から成り立っています。
この語根から全ての動詞、形容詞、副詞等単語が組成されていくのですが、アラビア語の文法の難解な部分は
その子音(語根)に別の子音、母音が追加され単語が形成されていく事に起因します。

即ち辞書は語根(3子音)がベースとなり、その後に派生した単語が列記されていきます。
その為、文法を知っていないと並んでいるアルファベットのどれが語根か特定出来ない為、辞書を引いてもその単語が
何処にあるのか分からず意味を調べる事が不可能になるのが難しさの原因です。

これが、アラビア語で辞書が引ける様になれば一人前であると言われる所以です。

繰り返しになりますが英語の様に分からない単語をアルファベット順に辞書を引けばその単語に辿り着く事がアラビア語の場合出来ません。

余り難しい説明をすると混乱されるかもしれませんが、簡単に一例を下記に示します。

(例) 基本形 K、T、B (語根を構成する3子音)

(アラビア語の動詞の基本形)
過去形、三人称、男性形 子音に夫々に母音のAが付き KATABA(カタバ) 彼は書いた。 كتب

上記語根に前、中、後に別子音、母音が付いて派生していく。
辞書を引く場合は下記の綴りからK,T,Bを語根と特定し辞書を引き意味を調べる。

INKATABA (インカタバ) 彼は署名した。  انكتب
IKTATABA (イクタタバ) 彼はコピーした。  اكتتب
YAKTABU  (ヤクタブ)  彼は書く。  يكتب
KITAAB  (キターブ)  本      كتاب
KAATIB  (カーティブ) 作家    كاتب
MAKTAB  (マクタブ)  事務所    مكتب
MAKTABA (マクタバ)  図書館、本屋 مكتبة

上記の通り「書く」と言う単語に対してそれに関する単語がどんどん派生していく形になります。
最近では文法に関係無くABC順に並べている簡単な辞書もあります。

今月の一言

形容詞も派生形で単語が同じ韻を踏んでいるものがあります。

アナ アトシャーン(男性)私は喉が渇いた。  (女性)アナ アトシャー
アナ ナアサーン (男性)私は眠い。     (女性)アナ ナアサーナ
アナ ガドバーン (男性)私は怒っている。  (女性)アナ ガドバー
アナ サクラーン (男性)私は酔っている。  (女性)アナ サクラー
アナ タアバーン (男性)私は疲れた。    (女性)アナ タアバーナ
アナ カスラーン (男性)私は怠け者だ。   (女性)アナ カスラー

アスワド(男性形) 黒   (女性形)サウダーゥ
アブヤド(男性形) 白   (女性形)バイダーゥ
アフマル(男性形) 赤   (女性形)ハムラーゥ
アズラク(男性形) 青   (女性形)ザルカーゥ
アフダル(男性形) 緑   (女性形)ハドラーゥ
アスファル(男性形)黄   (女性形)サフラーゥ

以上