講演会「東京オリンピック2020への基礎知識」が開催されました
11月7日オマーン大使館で国枝たか子先生を講師にお招きし、講演会「東京オリンピック2020への基礎知識」が開催されました。司会は理事の岩城淳子さん。先生の華々しい略歴、JOA(日本オリンピックアカデミー)初代オリンピック憲章委員長、国際女性スポーツ学会会長を歴任という肩書から、もっといかつい女性が登場するのだろうと想像していた方も多かったのではないでしょうか。女性の立場が平等とは言えない時代を乗り越え、男性以上に活躍していらしたので、さぞかし男勝りな人に違いないと思われた先生は、たおやかな印象の小柄な女性で、やさしい眼差しを向けながら、しかし凛とした口調で話し始められました。
まずオリンピックの楽しさについて語られ。展示会や劇、舞踏、工芸等とのコラボがあることにこそ、スポーツとオリンピズムの本質的な違いがあること、オリンピックとは文化とスポーツの融合であり、主要な目的は平和な世界を作り、若者を教育し、差別撤廃と五輪運動を継続し、フェアプレイ精神を深めることだと語られました。一般的にはスポーツ大会とオリンピック大会がなんとなく一緒に考えられていますが、その違いを端的に説明されました。東京オリンピック2020でのボランティアに申し込んでいる多くの方々は、この違いに気づいているのかと、ふと疑問に思われました。
国枝先生のご講演は古代オリンピックに始まり、クーベルタン男爵が基礎を築いた近代オリンピックへと続き、その後、財政のゆきづまりを打開し商業化を提唱したサマランチIOC会長の話に及びました。彼の時代にオリンピック憲章や女性の参加の促進についても進展があったことを改めて考え、この四半世紀の間の出来事を思い起こす契機ともなりました。特にアニタ氏と共に女性の参加を推進した努力には共感しました。
ご講演後は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会場整備局で現在活躍中の会員中村誠さんからも江東区の会場での説明や、国枝先生への質疑応答が活発に行われました。東京2020がもうすぐ実現するので、会場の聴衆の気持ちも盛り上がりました。国枝先生の時宜を得たオリンピックのご講演に感謝いたします。