2024年度の総会・講演会が開催されました
5月16日、オマーン大使館にて2024年度日本オマーンクラブの会員総会が多数の会員ご出席の下開催されました。
総会は新村事務局長が進行され、冒頭にアルブサイディ大使よりご挨拶をいただきました。引き続いてのジョーンズ会長の挨拶後、プロジェクターを利用した総会本題に入りました。各議題は正面のスクリーンに映し出され、議題紹介、担当理事による説明、質疑応答、議決へと進み、最後に改選された役員が紹介されて総会は滞りなく終了しました。
総会に続いて大川真由子教授(神奈川大学国際日本学部)による「オマーンの最新事情」と題した講演会が行われました。大川先生は、今年2月末に2週間にわたりオマーン現地の調査をされたばかりで、まさにホットな情報に触れられる貴重な機会となりました。
講演は、2020年に即位したハイサム・ビン・ターリク・アール=サイード新国王のリーダーシップによる新体制と国際化に伴う、オマーンの政治経済と社会制度の変化についてのお話から始まりました。若手人材の雇用対策や、今までは家族で介護していた高齢者の社会的なサポートなど、現代日本とも共通する課題があります。新王室は、長子相続を明文化し、近代化・国際化が進む中でSNSで直接情報を発信しています。それに伴って王妃や皇太子の存在感は高まりを見せています。例えば文化面では王妃の影響を受けたファッションが広まっているとのことです。また急速な近代化とSNSの普及と並行するように、初婚年齢の上昇、恋愛結婚や法改正による国際結婚の増加などの傾向も見られているそうです。
最後にガザ侵攻に対するオマーンでの反応で講演は締めくくられました。。オマーンでは大規模なデモ等は行われないものの、オンラインでの抗議やイスラエル・欧米企業の製品や店舗に対する不買運動とサウジアラビア製品への置き換えなど静かな抵抗が見られたそうです。
盛りだくさんな内容でしたが、現地で撮影した写真やSNSの著名な発信者の様子も提示され、オマーンの「今」をリアルに感じることができる講演でした。
なお、大川先生は2014年4月以来、10年ぶりにクラブでの講演にご登壇いただきました。前回はオマーンの家庭に実際に滞在したご経験をもとにしたお話でした。この10年の間には、50年近く在位した前国王の崩御と新国王の即位という大きな出来事があり、社会も国民の価値観も大きく変容している様子が印象的でした。
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