イベント情報
今年度2回目の「イフタールの会」が行われました
日本オマーンクラブでは毎年ラマダン月に首都圏と関西地区で「イフタールの会」を催しています。2024年度はラマダン月が2回あり、今回は2度目の「イフタールの会」の様子です。
首都圏 イフタールの会 (2025年3月10日)
3月1日からラマダーンが始まり、日本オマーンクラブは3月10日(日)に東京・渋谷のアラビアレストラン「ゼノビア」にて「イフタールの会」を開催しました。オマーン人留学生5名とクラブ会員3名が集い、歓談しながら食事を楽しみました。
参加者は寄付していただいたオマーン産のデーツを味わいながら交流していると、まず前菜のフムス、ムタッバル、ババ・ガンヌーシュ、フール、ムハンマラが運ばれてきました。フールはそら豆のペースト、ムハンマラはクルミとパプリカを使ったペーストで、これらはアラブ料理を食べたことのある日本人参加者にとっても新しい味わいでした。続いて、ひよこ豆のコロッケ「ファラフェル」、ひき肉を揚げた「クッベ」、サラダやナス料理が提供され、さらに、酸味のある乳白色のソースに水餃子のようなものが入った料理「シシバラク」が登場しました。これはシリアの家庭料理で、シルクロードを経て中国の餃子が変化したものだそうです。食事の締めくくりには、にんにくソース付きのシシカバブとデザートのカダイフを堪能しました。
食事中、日本人参加者はオマーンの文化に興味津々で、中にはオマーンの伝統的な服を着てめかしこんだ者もいました。オマーン人学生が「それはスール(オマーンの地名)らしいデザインだね」と指摘すると日本人学生が嬉しそうに頷く場面もありました。また、オマーンでの就職の難しさやコネなどの人間関係の話、オマーン人が香水を好む理由など、主にオマーンの社会や文化を中心とした幅広い話をすることができました。
一方でオマーン人学生からは、「日本人が水ではなくお茶のペットボトルを買うのはなぜか?」という日本人の日常的習慣についてポイントをついた疑問などを投げかけました。これが思いもよらない深い議論につながり、留学生として日本で生活をしているからこそ気づく視点、参加者一同感心させられました。
アラブ料理らしいスパイスの香りと、レモンやヨーグルトなどの酸味がある料理で腹を満たし、およそ3時間続いたイフタールは幕を閉じました。まだ寒さの残る仲春、食事を通じた文化体験、そして参加者同士の文化交流の機会を提供する日本オマーンクラブの「イフタールの会」は、日・オ両国の友好促進にとって意義深いものと思いました。
来年もオマーン人と日本人が「ラマダン・カリーム(恵み多きラマダンを!)」と言い合えることを願っています。
関西イフタールの会 (2025年3月26日)

講演会「日本での私の物語」が開催されました
2月27日、第4回講演会がオマーン大使館で開催されました。講師は、オマーン人女性留学生として早稲田大学大学院を修了後、清水建設に勤務しているバルキス・アル・ハルシーさんです。ジョーンズ会長ご挨拶ののち、バルキスさんは「日本での私の物語」と題して日本語で発表されました。IMG_0550 (クリックするとビデオがご覧いただけます)
オマーンの大家族で生まれ育ったバルキスさんは幼い頃から好奇心旺盛、世界を旅することを夢見る少女でした。保守的な家族を説得して初めて海外に出たのはアイルランドで、彼女が17歳のとき。3年間ホストファミリーと暮らすなかで英語が上達し、大学では土木工学を専攻しました。その後、オマーンに帰国したバルキスさんは建設現場で働きはじめます。暑さ厳しいオマーンでの就労は大変でしたが、職場が変わりオフィス勤務となりました。その通勤途中にある日本大使館の前を車で通り過ぎながら、次は日本に行くという決意を固めていったそうです。
行動力のあるバルキスさんは奨学金を獲得、日本行きの切符を手にします。コロナ禍を乗り越え入国し、早稲田大学の土木環境研究室に所属する唯一の女子学生でした。ゼミではコンクリート材料の実験など研究を進めつつ、学外ではアルバイトや旅行をして学生生活を楽しみました。修了後は博士課程に進む道もありましたが、就職フェアに出かけ、清水建設のセミナーに興味を持ち面接に進みます。半年の選考期間と三度の面接を経てようやく採用連絡がきたときは、本当にうれしかったそうです。
入社後は満員電車での通勤や同僚たちとの飲みニュケーションなど、オマーンでは考えられない日本独特の就労事情に戸惑いながらも、徐々に慣れていきました。職場では国内外の複数のプロジェクトを担当、建設現場のスケジュール管理をはじめ入札や資材調達なども幅広く経験しました。日本はデジタル化が進んでおらず、書類の仕事が多いことにも苦労します。紙が溢れているのは職場だけでなく、自宅の郵便受けにジャンクメールが大量に入るのにも驚きました。
東京での仕事と生活に充実感を覚えつつも、バルキスさんは今春退職しご家族の待つオマーンに戻ります。次の仕事は鉱山会社のシニアプランニングエンジニアで、日本を旅立つ日は間近に迫っています。後ろ髪ひかれる思いで日本を離れるバルキスさんの経験談を、来場者一同興味深く聞き入りました。そして、母国での新たな挑戦と活躍を願い会場から大きな拍手が沸き起こりました。
講演会の質疑に続いて、日本オマーンクラブ15周年記念として行われたオマーン旅行の報告が行われました。2月初旬のツアーには10名の参加者が集い、旅程の一部ではバルキスさんのご実家への訪問も実現したそうです。素敵な邸宅やご家族総出の歓待シーンもスクリーンに映し出されました。ツアー一行を率いた柴田理事より、訪問交流のご縁をいただいたバルキスさんのご家族へ深い感謝の意が表されました。今回は短編でしたが、ツアー報告は4月の総会開催時に予定されています。日本との友好関係を深めてくださったバルキスさんの門出を、日本オマーンクラブの講演会という形で分かち合えたことを喜び、最後は万雷の拍手で祝福しながら閉幕しました。
大使館祝賀感謝会
2025年1月21日(火)、広尾にあるオマーン大使館にて「大使館祝賀感謝会」が開催されました。ブサイディ大使ご夫妻をはじめ大使館の方々のご臨席のもと、37名の会員が一堂に会しました。
祝賀感謝会は郡司みさお理事の司会で始まりました。祝賀感謝会に先立ち遠藤晴男名誉会長が挨拶され、前月亡くなられた大使館員の小泉アシュラフ博士への黙祷が捧げられました。その後、ジョーンズ享子会長が開会の挨拶をされ、日本オマーンクラブの歩みや翌月に実施されるオマーンツアーについて話されました。引き続いてモハメッド・アル・ブサイディ大使のご挨拶を頂いた後に、大使館の方々に、日頃の感謝の意を表して贈り物が手渡されました。
お楽しみの昼食は、大使夫人アイシャさん選り抜きのアラブ料理が並ぶバイキング方式でした。メイン料理からスイーツまで、なかなか日本ではいただく機会のないご馳走ばかりで、どれも美味しく、みなさん堪能されていました。そして、旧知の会員同士はもちろん、新しい参加者や大使館員の方々もともに、さまざまな話題で大いに盛り上がりました。また、大使は各テーブルを回り、会員たちと直接言葉を交わしてもてなしてくださいました。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、名残惜しくも終了の時刻となりました。岡部聰理事が音頭を取られ、
一本締めで閉会しました。
今回も親睦を深めることができ、大変有意義な会となりました。大使ご夫妻をはじめ大使館の方々、準備等をしてくださった幹事の方々、そして、お集りいただいた会員のみなさまに感謝申し上げます。
(小画像はクリックすると拡大します。)
新年のご挨拶
日本オマーン学生交流会2024が開催されました
11月16日(土)、東京・中野区の成願寺にて日本・オマーン学生交流会が開催されました。両国の若い世代の相互理解と育成を目的に始まったこのプログラムは、成願寺さんのご好意で交流会会場と宿坊を提供していただき、毎年境内での合宿を含む二日間行われています。
今年はオマーン人留学生6人と日本人参加者12人、あわせて18人が集まり、ジョーンズ会長の挨拶後、ディスカッションで幕を開けました。参加者たちは二つのグループに分かれて自己紹介を行った後、オマーンと日本の文化の違いや最近の社会情勢で関心があることなどを一人ずつ発表し、活発な意見交換が行われました。
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およそ1時間に及ぶディスカッションでの内容を発表した後は、同じ会場で書道体験を実施。日本人学生が留学生に筆の持ち方や墨の付け方、そして半紙の使い方などを説明し、留学生たちは黒板に書かれた「日本」や「オマーン」という言葉を見ながら半紙に筆を滑らせていきました。初めて毛筆を手にとったオマーン人からは、「力の加減が難しかったが、自分の名前をカタカナや漢字で書けて嬉しい」との声があがり、達成感あふれる様子がひしひしと伝わってきました。
その後の夕食では、お寺から徒歩15分ほどのハラールレストランへ。異国情緒あふれる雰囲気の中、スパイスの聞いた羊肉料理などを囲みながら食事を楽しみ交流を深めました。その晩の成願寺での宿泊は、留学生には勿論のことお世話係の日本人学生にとっても稀な体験でした。
二日目は国会議事堂訪問。中野坂上から赤坂見附へと地下鉄で移動し、荷物を駅のコインロッカーへ預けてから国会議事堂まで徒歩で10分ほど。現地でもう一人留学生が加わり、この訪問を手配してくださった石川参議院議員の奥様や秘書の方も参加されました。偶然にもこの日は「議場公開」の特別日にあたり、通常は上から眺めるだけの天皇陛下のお席、議長席や大臣席、速記者席なども間近に見学できました。議事堂の資材は3点を除いて全て国産を基本に建築されたそうで、正面入り口付近には各都道府県の代表的な木が植えられていました。議事堂内部と外部の見学で歩いた歩数はなんと9000歩だったとか。その後皆で疲れた脚を休めランチと会話を楽しみました。
天候にも恵まれたこの日は遠方から参加した留学生達も帰路の途につき、プログラムは終了しました。
以下は9月に来日したばかりの大学院生Maliha さんの交流会参加の感想です。 (翻訳はこちら)
I would like to express my heartfelt gratitude to Ms. Kyoko Jones, the president of the Japan Oman Club, for her kind invitation and for providing such a wonderful opportunity. It was a great pleasure to meet all the organizers and participants of the Japan Oman Club cultural exchange meeting.
Over the past two amazing days, I had the chance to connect with many Japanese students who share a strong interest in Arab culture, particularly in Oman. We had enriching discussions and exchanged experiences about both Omani and Japanese cultures. Additionally, I tried Japanese calligraphy, which includes kanji, hiragana, and katakana. This was another wonderful experience that I thoroughly enjoyed.
Additionally, I had the privilege of meeting Japanese students from the University of Tokyo for Foreign Languages who had previously been exchange students at Sultan Qaboos University. I was deeply impressed by their fluency in Arabic and their dedication to learning the language. Their efforts have inspired me to start learning Japanese as well. The first day concluded with a dinner and an overnight stay at Joganji Temple, a unique and memorable experience that I would love to repeat in the future.
On the second day, we had an interesting opportunity to visit the National Diet Building, made possible by the kind assistance of Mr. Hirotaka Ishikawa, a member of the House of Councillors and of our Club. This entire experience was truly enriching and amazing, thanks to the incredible efforts of everyone who organized and supported the event. I sincerely thank you all and deeply appreciate your hard work.
Maliha (Kyoto University)
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