イベント情報
オマーン建国記念祝賀会と日本オマーン学生交流会が開催されました
去る11月21日、オマーン建国記念日のレセプションが東京大手町のパレスホテルで開催されました。各国外交官や日本の政界・財界の著名人の顔も見られました。また日本に留学中のオマーン人学生も民族衣装で出席し、お祝いのお相伴にあずかったオマーンクラブの役員達もアラブ音楽の流れる中、最近日本に着任されたオマーン人外交官にお目に掛かる光栄に与りました。
同日の午後6時、いよいよ留学生達が楽しみにしている日本人学生との交流会の開始です。東中野のアフガニスタン料理店に日本人学生7人とオマーン人10人が集合し夕食を共にしました。日本側は日本中東学生会議(JMESC) のメンバー、オマーン側は首都圏や関西から集まった留学生たちです。オマーンのアラビア語や日常生活、性格などの文化についての話や、日本での面白いと思った個人的な経験や変だと感じた経験、日本とオマーンの文化的な差異についての話で盛り上がり、大変興味深く有意義な交流会となりました。集まった両国の学生はみな初対面であるにも関わらず、和気あいあいと夕食を楽しみ、夜9時半過ぎまで貴重な交流をすることができました。
交流会2日目の22日、日オの学生たちは、合宿させていただいた成願寺で座禅、朝食を済ませ、東京外国語大学へ向かいました。昨年までは成願寺で開いていた交流会を、今年は趣向を変えて、東京外国語大学学長への表敬訪問と開催中の外語祭に参加し、異文化交流を図ることにしました。
オマーン人留学生7名とJMESC学生3名とが西武多摩川線の多磨駅から徒歩5分の東京外語大学 (Tokyo University of Foreign Studies)の正門に集合。9時半から学長応接室で、立石学長、岩崎副学長、大学院総合国際研究院の青山教授などの歓迎を受けました。当クラブからは、外語大卒業生の遠藤名誉会長、ジョンーズ会長、岩城理事が同席し、冒頭、遠藤名誉会長が、訪問の機会に対してお礼を述べ、その後全員の自己紹介が行われました。続いて、学長から今年建学145周年記念を迎えたこと、また、現在28の専攻言語があり、留学生数は84カ国から737名で、あらたに来春から国際日本学部がスタートするなどの、ご説明がありました。
その後、青山教授が流暢なアラビア語で校舎内をご案内くださいました。中でも学生たちの興味を引いたのは校舎の廊下に展示されていたアラビア書道家の本田孝一氏による大型の作品でした。「青の砂漠」、「赤の砂浜」と題されたそれぞれの作品には、コーランの一部が美しいアラビア書道で書かれ、学生たちは驚きのまなざしでコーランを読んでいました。その後、フードテントの立ち並ぶキャンパスに出て、外語大の学生たちと談笑したり、アラビア、イラン、パレスチナ、トルコ、イランなどの料理のブースを回り、“アラビ屋”では学生店員にハラールかを確認し、ケバブなどを食べていました。また、ベリーダンス部の日本人女学生とベリーダンスの踊りについて楽しそうに話していました。
東京外大での交流会は、昼食後1時過ぎに終了となりました。留学生には外語大のいろいろな日本人学生と話す機会や、大学の文化に触れる新たな経験になったようです。また、留学生からは今後の交流会などの情報をオマーン留学生間により広めてゆくために、ネットワークを確立してゆきたいとの声も上がりました。
終了後、”We all had a great time“(原文は←をクリック)との感想も寄せられ、遠藤名誉会長、ジョンーズ会長の詳細なご準備があってこそ、実現できたことと思いました。
(小サイズの写真はクリックすると拡大します。)
「オマーン切手の見学とスカイツリーから東京を眺める会」に21名が参加
曇り日の10月13日土曜日、押上・東京スカイツリータウン・ソラマチ9階の郵政博物館に参加者21名が集合。この博物館は前身の逓信総合博物館が大手町の再開発により閉館のため、押上に移転、2014年3月より開館した、郵便の歴史展示を主とした博物館です。中でも自慢は、世界各国の切手約33万種を取り揃えた日本で最大の切手コレクションです。世界で最初に発行されたイギリスの切手、ブラックペニーやオマーンの国王や蝶々、動物、魚などをあしらった切手などを見た後、今回の見学の目的にもなった日本オマーンクラブ提供のオマーンコーナーに移動。
オマーン・日本国交40周年を祝ってオマーン政府が発行した記念切手を目の前に、改めてその色彩の美しさと親愛のシンボルでもあるデザインの素晴らしさに見入りました。その時のロゴコンテストに見事に優勝され、結果として、この記念切手のデザインに採用された安立佐和子さんもこの日のツアーに参加され、「何となく応募したのに、デザインが採用され、今回また新たに日本でこんな形で紹介いただき大変嬉しいです」と展示の切手の前でカメラに収まっていました。そのほか、オマーンのハンジャル、香炉、記念銀貨コインセット、蝶も展示されていました。また、ツアー中、案内スタッフから“日本で最初に拳銃の携帯を許されたのは警察官ではなく、ポストマンです”、“〒の郵便マークが最初にできたのは明治20年で、テの字を表しています”など興味深い数々の説明に、参加者は新たな学びを得た様子でした。
その後、レストラン・リゴレットでイタリアン料理を堪能しながら、各テーブルは大いに盛り上がりました。
食事後はいよいよ高さ634メートルを誇るスカイツリーの展望デッキ「フロア350」へ移動です。50秒で一気に350メートルを上り、到着した眼下にはひしめき合う東京の建物とゆったりと流れる隅田川の景観が広がります。名案内役は、ご自宅がスカイツリーのほぼ真下という当クラブ理事の久保田夫妻です!曇り空のため、富士山は見えませんでしたが、参加者は大型の素晴らしいデジタル画像の多彩な機能をタッチしながら、昼間や夜景の様々な東京の表情を楽しんでいました。
階下の「フロア340」では厚さ12mmの強化ガラスを4枚重ねたガラス床から真下に広がる迫力ある眺めが楽しめるのですが、その上をこわごわ歩く人、怖くて柱にもたれて見ている人など様々な様相でした。恒例の集合写真の撮影を最後に、楽しい会も2時近くに解散となりました。幹事の皆様の念入りなご準備、当日の案内役、本当にご苦労様でした。
ところで皆さん、ご存知ですか?
“オマーンの郵便ポストの色は何色ですか?”
案内スタッフのこんな質問に遠藤名誉会長が回答。“郵便ポストはないです。個人で郵便局に郵便物を持参する!とのこと。郵便のお国事情もいろいろですね。
日本オマーンクラブ恒例「サマーパーティ」が開催されました
酷暑の続く8月23日、東京有楽町の日本外国人特派員協会のダイニングルームにて、日本オマーンクラブ恒例のサマーパーティが開かれました。皇居や丸の内の高層ビルの夜景を望む会場には、二組の元在オマーン日本大使ご夫妻や家族ぐるみの参加者を含む100人近くが出席しました。
司会は金川香会員。ジョーンズ会長のご挨拶に続き森元元大使による乾杯のご発声でパーティは始まりました。ビュッフェにはサラダ、サーモンの前菜や魚料理、中東料理にも見える鶏肉などが並び、各種飲み物と一緒にお好みのものをそれぞれが堪能しました。
食後はエンタテイメントの開始です。プロのシンガーソングライターでもあるMADOKAさんが、アコーディオン奏者のえびさわなおきさんの伴奏に合わせ、美しい歌声を披露されました。MADOKAさんの衣装は会員の水谷哲也デザイナーによる振袖で作られたドレスで、2010年にオマーンで日本大使館が主催したファッションショー『Japanese Elegance in Muscat The Beauty of Kimono』に着用されたドレスの一つだそうです。MADOKAさんの歌の後は、白波瀬佳子会員のリードで全員で「ドレミの歌」や「ふるさと」を大合唱しました。
そしていよいよ皆様お待ちかねの「オマーンクイズ」の時間です。ずらりと並んだ豪華賞品の数々。それを横目に参加者は「オマーンの面積は日本より狭い」「オマーン人の平均寿命は75歳以上」等など、10問の回答をイェス・ノーで各自の解答用紙に印を付けていきます。質問が終わり遠藤名誉会長が各問の正解を発表されると、会場から拍手や笑い声・ため息などが聞こえました。中江事務局長が「全部正解だった方」と尋ねると、唯一人挙手した女性がいました。彼女には大きな拍手と共に純銀の香炉が授与されました。次点の正解者は多数ありそれぞれ賞品を手に喜び、楽しかった時間は瞬く間に過ぎて行きました。最後に岡部理事のユーモアたっぷりのジェスチャー入り中締めでパーティは御開きとなりました。
特別に暑かった今年の夏ですが、準備から企画・実施まで携わってくださった役員や会員の皆様のご尽力のお陰で、2018年の暑気払いも大成功を納めました。ありがとうございました。また日本オマーンクラブの行事の写真を毎回撮影してくださる入江監事に深く感謝いたします。いつもありがとうございます!
「イフタールの会」が関西と首都圏で開催されました
<関西イフタールの会>
ラマダン(断食月)が始まって間もない5月19日(土)、京都のレストラン・アリババで関西イフタールの会が開催されました。出席したのはオマーン人留学生が7名、日本人学生5名、そしてオマーンクラブ会員が3名の15名。
この日の日没は19時近く。ビスミッラー (神に向かって「いただきます」)、タファッダル!(どうぞ)などのお声とともに、各々少しずつ空腹の体にお水とデーツが染みわたっていきます。それから沢山あるビュッフェのお料理で、少しずつお腹を満たしながら話がはずみます。ハラール料理を初めて食べたという日本の学生さん達もとても美味しい!と喜んでいました。
日本語、英語、アラビア語と、みんなそれぞれのコミュニケーションの方法で、話題は学生さんの勉強していること、出身から始まりました。
サラーラの山出身の留学生がいて、オリックス、ジャバリー:山言葉、さらにアジアチーターがいたこと、オマーンの新しいホテル等、普段なかなか聞くことのできない興味深い話へと広がっていきました。出産を控えた留学生夫婦もいて、日本語の名前でアラビア語にもなる素敵な名前はないかという話題から、日本人の名前とその由来の話にも。どういう名前になるのか、楽しみです!
オマーン人留学生が、オマーンのことを沢山話してくれ、多くのことを学び楽しみました。皆さんが限られた時間の中で勉強し、そして友達をたくさん作って、日本ならではのいい経験ができますように。
またこのような貴重な機会を作ってくださった日本オマーンクラブ、そして会のアレンジをしてくださった京都ノートルダム女子大学の鷲見朗子先生に御礼申し上げす。オマーン・日本の草の根交流が更に深まることをお祈りしております。
(文:石川玲緒奈)
<首都圏イフタールの会>
6月8日(金)の夜6:45、横浜のアラビア料理店Al Ainにメンバーが集まり始めました。
参加者は、首都圏に学ぶオマーン人留学生3名、日本中東学生会議とオマーンクラブ会員の日本人大学生4名を中心に、会員2名が加わりました。オマーン人留学生の多くは三菱商事の奨学生として来日していますが、今年は、留学にあたって彼らのお世話をしてくださっているアジア科学教育経済発展機構(Asia SEED)からも2名のご参加を得、計11名での開催となりました。
徐々にメンバーが集まり、出席者が自己紹介をしているうちに、店主から日没が告げられます。オマーン人留学生Rahmaさんからのイフタール開始のお祈りについての簡単な説明の後、食事が始まりました。イフタールには欠かせないデーツに始まり、飲み物や料理がどんどん運ばれてきます。
今回の留学生参加者は全員女性で、また一人は日本に来てまだ三か月です。日本人教授の言動に対し抱く疑問やアパートの家賃の高さが話題に上がりました。さらに信仰に関する偏見、ハラール食材の入手、大学内の礼拝をどこでするかなど、日本にいるムスリムならではの会話も交わされました。
様々な国の知識や経験がある日本人学生たちもおり、南欧におけるアラビア文化、アラビア料理が地中海料理の一貫であることなど周辺地域に関心が広がります。中東問題におけるオマーンの持つ独自性など、場面次第では繊細に扱われる事柄も話題にあがりました。これらを将来に向けて前向きに、理解を深める方向性でざっくばらんに話せるのは、信頼しあう若い学生同士ならではのことでしょう。
また、オマーンと日本のお化けの話、オマーンの方言について等、文化的な話も興味深く話されました。そしてオマーンがどれほど自然豊かな国であるか、そんな自然豊かな地に世界中の観光客がやってくることなど、オマーンの魅力についてももちろん存分に語られました。
予定の時間はあっという間に過ぎ、レストランを9時前に退出しました。その後学生たちは近くのカフェに場所をかえておしゃべりを楽しみ、イフタールの夜は更けていきました。
Asia SEEDの方は、普段とは異なる和気あいあいとした雰囲気の中、留学生と楽しく話す機会となったとのことです。
最後に、オマーン人留学生Rahmaさんからのコメントをお伝えします。
The iftar gathering gave me the chance to talk to Japanese people or students and share my culture with them. They were interested to know more about Arab culture, the food etc. Mazon and Aysha also have the same opinion, they liked this experience and they enjoyed their time. [日本語訳は「日本語訳」をクリック]
改めまして、ご参加いただいた皆さんと開催にあたってご尽力いただいた方々に、楽しいひと時を支えていただきましたことを心より感謝いたします。(文: 三橋昌恵)
「イスラムを学ぼう」の講演会が開かれました
2018年5月31日、東京広尾のオマーン大使館において、本年度第2回講演会が開催されました。
講師には東京国際大学特命教授・同大国際交流研究所所長で前筑波大学副学長の塩尻和子教授をお迎えし、「イスラームを学ぼう」をテーマにお話をしていただきました。多数の出席者が聴講に訪れる盛況の中、講演は行われました。
講演の前に参考資料[イスラーム理解のために] [イスラームの基礎知識] が配られましたが、その内容の豊富さに圧倒されます。限られた時間の中でこれだけのお話ができるのか?という心配をよそに、教授は淡々とお話を始められました。
内容は主に、イスラム教に対する日本人の誤解・偏見について。気候の厳しいところでは一神教のような厳しい宗教が生まれ、気候の穏やかなところでは多神教が生まれるのか?一神教は戦争ばかりしている宗教であり、一方多神教は穏やかな宗教なのか?イスラム教は戒律が厳しくて自由がないのか?女性が差別されているのではないか?こうした素朴な、それでいて、ある程度宗教や文化についてわかっているつもりの人でも何となく信じてしまいそうな考え方について、教授は一つ一つ例を挙げてその誤りを指摘していきます。
確かにイスラム教は砂漠で生まれたが、多神教であるヒンドゥー教の生まれたインドも非常に気候の厳しいところであり、気候だけが影響を与えるわけではない。中東でもイスラム教が広まる以前には多神教が信仰されていた。
また一神教は戦争ばかりしているのか?それでは多神教は戦争をしないのか?といえば、戦前の日本はどうなのか?そしてイスラム教世界に戦争が頻発するようになったのはそう古い時代からではない。
確かにイスラム教の戒律には厳しいものもあるが、仏教にも厳しい戒律はある。以前はイスラム教の戒律はそう厳密ではなかったが、インターネットの普及に伴い、サウジアラビア流の厳しい戒律が広まってきている。
まとめとして、イスラム教もまた他の宗教と同様に多様であり、その一部を取り上げて全体を判断するのは間違っている。そのような考え方を是正するには対話が重要で、長楽寺の峯岸正典師や成願寺の小林貢人師らはその先駆として他宗教との対話を行なっているなど、丁寧に説明されました。
これに加え、サウジアラビアのマッカ巡礼のお話や、教授が訪れたチュニジアのモスクの様子、コーヒーの起源や千夜一夜物語などのお話も交え、1時間半という短い時間の中でも広範囲に渡った充実した講演となりました。
教授のお話は、穏やかな語り口の中にイスラム教への愛が深く込められており、聴く者はその熱に打たれるような思いのする素晴らしい講演会でした。
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