イベント情報
オマーンクラブ恒例のサマーナイトパーティが開催されました
2017年8月23日、夕刻より広尾のフレンチ・レストラン、「シェ・モルチェ」で、会員とその友人、オマーン留学生ハリッドさんを含む総勢75人が参加して、日本オマーンクラブ恒例のサマーナイト・パーティが開かれました。
「スマート・カジュアル」のドレスコードも8回目となると、男性は明るい夏色、粋なチェックなどのサマー・ジャケット、女性は和服あり、民族衣装風あり、それぞれに個性的な装いできまっている。出席者が三々五々席に着くのを見計らい、ビール、ワイン、カクテルなどの飲み物が配られ、ほんのり華やいだパーティが始まった。
張りのあるお声の金川香さんの司会で、まず、遠藤晴男会長の挨拶から始まり、日本=オマーン両国の経済関係促進の功績により、本年度の外務大臣賞を受賞された会長に、クラブから花束、夫人に記念品が贈呈された。乾杯の音頭は、『世界でトヨタを売ってきた』の著者で、元トヨタ自動車の専務、岡部聡氏。続いて「シェ・モルチェ」特製の冷製・温製・デザートを含めた、盛りつけも美しいビュッフェ・スタイルの料理を皿に取り分ける列にも、途中のテーブルの顔見知りのそばを通る折にも、歓談が花咲いた。
どの料理も美味しく、飲み物もふんだんにサービスされて、宴たけなわになったころ、司会を金山記子さんにバトンタッチして、この日の出席者がひそかに期待し楽しみにしていたに違いない、前オマーン大使の久枝譲治氏のトロンボーン演奏が、ピアニスト沢野智子さんの伴奏で始まった。男性のバスの声に似たトロンボーンの重厚な響きを、会場中央に据えたピアノ、ベーゼンドルファーのきらびやかな音質が引き立てる。サン・サーンスの組曲「動物の謝肉祭」から「白鳥」、オペラ『カルメン』から「闘牛士の歌」、日本の四季を思い起こさせる「花の街」「夏の思い出」「里の秋」など、なじみ深いメロディーの曲目をそろえ、久枝夫人が譜めくりをされるなど、なごやかな共演、饗宴で夏の夜は更けていった。
もう一つの楽しみは、寄贈品抽選会。会員から寄贈された本『世界の蝶と蝶ことば』、美しい蝶の卓上置物、「フランキンセンス入り美容液」、シルク石鹸、デーツとデーツシロップ、東京アメリカン・クラブのロゴ入りリュックなど多彩な品々が、会場受付時に引いた番号によって当選者に配られた。魅力的な品々ばかりだったので、皆様ドキドキ、ワクワク、外れにちょっぴりがっかり!「来年こそきっと!」と唇を噛みしめた方もあったのでは?
最後に、ジョーンズ事務局長から、今後のイベントの案内や、留学生を交流会に招く資金に寄付の勧誘などのメッセージがあって、9時近く、入江理事の中締めでひとまずお開きとなった。
いつものことながら、企画・運営・受付など裏方の仕事を、実に有能な方々が支えておられることに感嘆した。日本オマーンクラブの魅力は、こうしたメンバーとの豊かで、心地よい刺激に満ちた交流にあるのではないかという思いを一層深くした。
遠藤会長が「外務大臣賞」を受賞されました Mr. Haruo Endo received Foreign Minister’s Commendation
2017年7月6日、日本オマーンクラブの遠藤会長が「外務大臣賞」を受賞されました。
遠藤会長は丸善石油およびUAEの石油会社に勤務した後、1992年から3年間JICA専門家としてオマーンに駐在し、同国商工省において産業開発の技術指導を行われました。その後1年間、同省からの要請により日本の工場管理手法を伝授するなど、オマーンの産業及び人材育成で多大な貢献をされました。その後も数多くの講演やセミナーを日本並びにオマーンで行い、また二国間の人事交流・文化交流に貢献されました。この度その数々のご貢献が認められ、外務省より2017年度の外務大臣賞が授与されました。
7月6日に外務省飯倉公館で行われた授賞式には外務省側から「今後とも日本外交を支援して欲しい」との希望が繰り返し述べられました。ちなみに、遠藤会長の貢献はオマーンスルタン国王からも認められ国王勲章を受けられた唯一の日本人です。
日本オマーンクラブは遠藤会長のリーダーシップの下、日本とオマーンの友好促進にますます力が入ります。
関西と首都圏で「イフタールの会」が開かれました
オマーンを含むイスラム圏で行われる重要な宗教行事ラマダン(断食月)が、今年は5月下旬から始まりました。断食中、日没後に初めていただく食事が「イフタール」です。イフタールは丁度日本のお正月のように一族郎党家族や友人などが集まり、ムスラヒ大使によればオマーンでは60人・70人が一緒に食事をするのは珍しくないそうです。
日本オマーンクラブでは遠く母国を離れているオマーン人留学生に少しでもこの特別な伝統を味わってもらいたいと「イフタールの会」を毎年開いています。今年はオマーン人留学生が多数滞在している関西地域と首都圏の2か所で開催されました。双方とも現地の会員(鷲見朗子様、三橋昌恵様)がコーディネートを引き受けて下さいました。また札幌にも留学生がおり、北山明様がイフタールを計画してくださいましたが、留学生の都合により開催されませんでした。ご多用中にもかかわらずコーディネートを引き受けて下さいました会員の方々にこの場をお借りして事務局より厚くお礼申し上げます。
[首都圏:横浜] 6月16日(金)の夜7時の少し前から、横浜のアラビア料理店Al Ainにメンバーが集まりました。参加者は、神奈川と東京に学ぶ、オマーン人留学生4名と日本人を中心とする大学生3名、それ以外のクラブ会員3名の10名です。
学生たちは、部活動やミーティングなどに追われて忙しい中、順次会場に集まりました。イフタールで最初に食べるとされるデーツに始まり、飲み物や料理がどんどん運ばれてきます。学生たちはそれぞれの通う大学や専攻についてなど、自己紹介をしながら尽きることなく歓談しました。
同じ大学に通う日オの学生も多く、ときにはレバノン人の店主も交えて各大学の研究者の話にまで発展するシーンもありました。さらに、何語が話せるか、どんな国に行ったかという質問から、国ごとのジェスチャーの違いや暑い気候でスカーフをかぶるのは暑くないのかなど、話題は世界に広がります。また日本語を勉強するオマーン人学生に「日本語の会話を英語で説明して!」など、生きた語学の勉強にもつながりました。
9時前にはレストランを出ましたが、各学生にはオマーンクラブからデーツと、レストランより提供を受けた”Muslim friendly Restaurant Guidebook Kanagawa”が配られました。その後、学生たちは近くのカフェに場所を変え、10時近くまでおしゃべりを楽しみ交流を深めました。(文 三橋昌恵さん)
[関西]
当クラブ会員で京都ノートルダム女子大学教授の鷲見朗子先生、Eman Al Maamaniさんのご尽力で、6月25日(土)夜の7時頃から、オマーン人留学生10名、日本人学生5名、クラブ会員の鷲見朗子先生、石川玲於奈さん、江村の合計18名が、大阪心斎橋にあるトルコ料理店Nazarに集まりました。お互いに「アッサラームアライクム」「ラマダンカリム」と、アラビア語で挨拶をしながら、久々の邂逅を喜び合いました。最初に、鷲見朗子先生が日本オマーンクラブから「関西の大学にも、多くのオマーンの留学生が在学しているので、関西でイフタールの会を持ちましょう」と提案されて、昨年から関西でイフタールの会を持つことが出来て本当にうれしい、と、述べられました。留学生も喜んでいました。
イフタールの最初は、デーツを食べます。それから、飲み物や、料理が、どんどん運ばれてきました。若い学生たちは、イフタールの夜ですから、もりもり食べています。オマーンと日本の若者達が、同じ国の若者のように、アラビア語、英語で、お喋りを楽しんでいました。賑やかに、そして、楽しく、いつまで盛り上がっていきました。(文 江村彩子さん)
講演会「オマーン湾を臨む西アジアとアラビア半島の関係」が開催されました
初夏の爽やかな暑さの中、オマーンスルタン国大使館にて、ムシェフリ公使をお迎えし、一般財団法人日本エネルギー経済研究所常務理事中東研究センター長 田中浩一郎先生の講演会が5月18日に開催されました。
「オマーン湾を臨む西アジアとアラビア半島の関係」と題された講演は「不安定が枕詞となって久しい中東」、「インド洋から眺望するユーラシアとアラビア半島そしてアフリカ」、「環インド洋経済圏の可能性と課題:オマーンの位置づけ」、そして「日本の戦略的関心を考えよう」という4部構成でした。
“アラブの春”と民主化運動、イラン核合意、同盟国(サウジアラビア、UAE、米国)の独自の外交、トランプファクター等々、政治外交問題からインド洋の東南アジアからアフリカに至るヨーロッパ覇権の歴史、そして現代のインドと中国が競合する舞台へという経済的市場の変化まで、幅広く解説がありました。
一方1994年のネルソンマンデラ提唱のIORA構想における課題にも触れ、オマーン海(特にイランとオマーン)はホルムズ海峡からのエネルギー資源の搬送ルートとして重要であり、2010年からの海底油田開発、及びLNG開発合意の進展が注目されること、また中国の一帯一路含む全方位的戦略に対し日本は重要航路の押さえにおいて戦略の遅れがあり、対策が必要と田中先生は指摘されました。インドとの協力を模索する日本だが、チャーバハール湾開発で、中国もインドを上回る規模で進出。モルディブでのサウジと中国の拠点構築も日本のリスクになるとの懸念を示されました。
今回、中東研究の第一人者である田中先生の講演を通じ、最新の中東情勢と国際関係の理解を深める貴重な機会となりました。
2017年度総会が開催されました
2017年4月24日にオマーン大使館で「2017年度 日本オマーンクラブ総会」と「第2回講演会」が開催されました。
総会では冒頭、遠藤会長が挨拶され、ムスラヒ駐日オマーン大使からもご挨拶をいただきました。その後の役員の紹介に引き続き参加者数と委任状提出者が過半数以上の定足数に達したことで当総会が有効に成立されていることも宣言されました。
議事は滞りなく進行され、2016年度の活動報告、2017年度の活動案、2016年度会計報告、2017年度予算案は全て承認されました。2017年度も様々な講演や日オ学生交流会、年の瀬お好み焼き会、オマーンツアーが予定されていますので、どうぞお楽しみに。
美味しいコーヒーとお菓子(もちろんデーツも)が振る舞われた休憩会場では、中江 信会員のご厚意で、中江会員や久枝前オマーン大使が採取されたオマーンの蝶70頭の標本も展示されました。この標本は本年中にオマーンへの寄贈が予定されていますので、実際に日本で見られる貴重な機会になりました。
休憩後の講演会の講師は会員の白須英子さん。翻訳家でフリーライターでもある白須さんはイスラーム世界にも造詣が深く、平成15年に「イスラーム世界の女性たち」を出版されたほか、中東関連の訳書も多数お持ちの方です。
「私の見たオマーン・ワンダーランドの四つの不思議」と題された今回の講演では、今年1月に訪問したオマーンを、白須さんの鋭い観察眼と深い洞察力で語ってくださいました。オマーンの不思議とは「コントラスト」「相違」「共存」「フュージョン」の4つです。一時間という短い時間でしたが、白須さんによってオマーンの新たな魅力に気づかされたひと時でした。