イベント情報
2016年日オ学生交流会が開催されました
去る11月19日・20日の2日間、日本オマーンクラブ主催でインターカレッジの学生団体、日本中東学生会議が中心となり、日オ学生交流会が開催されました。参加者はオマーン人留学生8人と日本人学生9人、オマーンクラブからも9名がオブザーバーとして参加しました。
1日目は、東京中野坂上の成願寺附属のたから幼稚園にて交流会を行いました。各グループ4名ずつ分かれ、前半は文化交流として型抜きと福笑いを楽しみました。型抜きは非常に難しく苦戦している様子でした。現在では型抜きはあまり見られませんが、日本のお祭りにおいてはうまく型を抜けることができればお金など景品がもらえると聞いたオマーン人学生は慎重に取り組んでいました。福笑いは好評で、可笑しな顔に一同大笑いしていました。
後半は「日本の文化の多様性 関西と関東の違い」というテーマで日本人学生がオマーン人学生に対しプレゼンテーションを行いました。今年は関西からの学生が多いためこのテーマにしました。それぞれの主な観光名所や歴史的変遷、言葉の違い、食文化の違い、エスカレーターでの並び方の違いなど、日本人学生オマーン人留学生共に興味深い内容でした。その後各グループでディスカッションを行い、日本人学生は「オマーンにもこのような違いは各地にあるのか」といった質問をしたり、オマーン人学生は「関東にもいくつかの方言があるのは知らなかった」といったコメントをしたりしていました。交流会終了後、両国の学生参加者全員がハラールレストランで夕食を囲み楽しいひと時を過ごしました。
2日目は、朝成願寺においてまず座禅を行いました。座禅の時間は10分間でしたが、非常に長く感じられました。日本人、オマーン人留学生ともに苦戦しておりましたが、最後に住職様から「他の日本人の方よりもオマーン人留学生の方が上手でした」とお褒めの言葉を頂きました。また、仏教やイスラーム教、キリスト教に精通する教えやお祈りの方法が似ていると聴き学生全員が強い関心を抱きました。
座禅終了後、一緒に朝食を食べ、東京都庁の展望台へと向かい東京からの景色を見てもらいました。ちょうど天気が非常に良く晴れていたので富士山や埼玉県の山々を見ることが出来ました。中でも新宿のコクーンタワーに興味を持ったようで暫く写真を撮っていた事が印象的です。
日本人、オマーン人留学生ともに中身の濃い時間を過ごす事が出来たと思います。
(文責:日本中東学生会議)
アハジージュ号の子馬「豊歓号」訪問
2016年10月26日、素晴らしい秋晴れの中、日本オマーンクラブのメンバー約30名が宮内庁厩舎訪問のため、皇居大手門前に集合しました。
宮内庁厩舎には、皇太子・同妃両殿下ご成婚に当たって、オマーン・スルタン国王から贈呈された「アハジージュ号」の子馬「豊歓号」がいます。この度 その「豊歓号」を見る機会を特別に得られました。
皇室における馬との関わりは深く、宮中に伝わる文化の一つとして、古くは奈良・平安時代に遡る古代馬術「打毬(だきゅう)・母衣引(ほろひき)」が現在でも受け継がれています。その他ご結婚の行事、ご即位における馬車列や皇居宮殿で行われる新任の外国大使による天皇陛下への信任状捧呈式の際の送迎にも希望により儀装馬車が用いられ、国際親善の実を上げています。こうした歴史認識のもと、大手門集合後、心躍りながら厩舎に向かいます
途中には、とても大きな銀杏の木があり、聞くところによれば皇居内で一番大きな銀杏の木とのこと。大都会の真ん中にありながらその大きく立派な銀杏の木に感動です。
宮内庁病院を通りすぎしばらくすると、馬に乗った皇宮警察官と遭遇。かつての近衛騎兵を思い起こさせる情緒ある風景でした。 草の香りが徐々に近づくにつれ、厩舎への道のりがあとわずかだなと思ったところで、栗毛や芦毛の馬が見えてきました。 その手前には天皇皇后両陛下のご結婚やご即位、またムスラヒ大使の送迎にも使われた儀装馬車・鞍等が保管されている場所があり見学させていただきました。馬車の本体は総漆、菊の御紋や馬車の飾りはすべて金箔という、それは見事なものでした。ドアを開けて内部も見せていただきましたが、細部に至るまで実にエレガントな造りでした。
さていよいよ厩舎訪問です。何とたくさんの人参を用意してくださり、会員は各自ニンジンを手に厩舎に向かいます。 厩舎では、足も太く体もとても立派な馬車引き専門の馬が手前におり、窓枠から人参欲しさににゅうっと顔を出していて、その愛らしさがたまりません。奥の方にはいわゆるサラブレッドたちがいて、そこに目指す「豊歓号」がいます。
各馬には二文字の漢字名がつけられています。馬の名前の上の漢字は、誕生年の歌会始のテーマだそうです。また、御料馬名前の命名は「陛下の御製の中から一字取る」が慣例となっており、豊歓が生まれた年は御題が「姿」、御歌の内容は「うち続く 田は豊かなる 緑にて 実る稲穂の 姿うれしき」の中の「豊」を取ったものだそうです。
どの馬も大変人懐っこく、愛されて可愛がられているのが非常にわかります。そしていよいよ「豊歓号」との対面です。 会員の方々から、「とよちゃーん」と言われると、柔らかい鼻先をムヒムヒっと動かして愛嬌をふりまき、ご挨拶をしてくれました。
その後スタッフに連れられて外に出てきた豊歓号は、かなりの時間多数の会員との写真撮影にもおとなしく応じてくれました。御料牧場にいる母親のアハジージュ号とよく似ており、とても美しく上品で素晴らしい馬でした。
楽しい時間はあっという間に過ぎ去りました。現地解散後も、お茶に行かれる方、東御苑の見学に行かれる方と、楽しい貴重な体験はそれぞれの場でまた花開いていたことでしょう。
「イフタールの会」が関西で開催されました Iftar held in Kansai
今年のラマダンもあと一週間を残すところとなりました。ラマダン中、イスラム教徒は断食をし日没後初めて食事をとります。この食事がイフタールです。今年の「イフタールの会」は大半のオマーン人留学生が関西に在住しているため、初めて大阪で開催されました。
6月25日(土)夜7時頃から、首都圏から参加した2人を含むオマーン人留学生10名、日本人学生5名、関西在住のクラブ会員3名の総勢18人が、大阪心斎橋のトルコ料理店Nazarに集まりました。皆「アッサラームアライクム」「ラマダンカリム」と、アラビア語で挨拶をしながら、久々の邂逅を喜び合いました。
イフタールの会は鷲見朗子先生の流暢なアラビア語での挨拶で始まりました。イフタールの最初はデーツを食べる習慣があり、今回はオマーンクラブからの差し入れのデーツから始まりました。飲み物や料理がどんどん運ばれてきます。若い学生たちは、イフタールの夜ですから、食欲旺盛。テーブルを囲んでオマーンと日本の若者達が、同じ国の若者のように、アラビア語や英語でお喋りを楽しみ、賑やかに大いに盛り上がりました。食事がいったん落ち着いた頃、自己紹介がありました。会員の石川玲於奈さんもアラビア語でオマーンでの思い出を話され、江村彩子さんは12年も在住した大好きなオマーンでの経験を紹介されました。
オマーン人留学生と日本人学生はイフタールを通して交流し、またクラブ会員も旧交を温めたひと時でした。国際的で濃密な時間はあっという間に過ぎ、まだまだ話は尽きないようでしたが9時半近くになり散会となりました。
講演会「地震波を使って地球内部を探索する」が開催されました
2016年6月22日(水)、東京広尾のオマーン大使館で東大地震研究所の新谷昌人教授による「地震波を使って地球内部を探索する~何がわかって何がわからないのか」と題する講演会が行われました。
地震は地球の多くの場所で毎日起こっている、ほとんどの地震が断層運動によって発生する、地震内部は地震波によって探索できることなどについて分かりやすく解説されました。また新谷教授は昨年ノーベル物理学賞を受賞した梶田教授の研究拠点であるカミオカンデと同じ神岡地下観測施設(岐阜県飛騨市)でひずみ計を使って地震の地殻変動などを観測していることも紹介されました。
そして、地震波などを用いた観測により、地震のメカニズム・原動力・起こりやすい場所は明らかになったが、地震発生のきっかけや前兆現象の有無はわからない、また天体現象は完全予測でき、天気予報もおおむね当たる(時々外れる)ようになったのに対して地震についてはまだ直前・短期予知はできず、予知は長期予測にとどまっていると結ばれました。
今回の講演は、直前・短期予知がまだできない地震、それが多発する日本に生活するわれわれとしては、最良の防災策を常に考えて減災に努めなければならいことを再確認するよい機会となりました。
また今回の講演会がラマダン月に当たったため大使館内での懇親会は開かれませんでしたが、講演終了後半数以上の出席者がサマーパーテイが開催されるシェ・モルチェに移動し、なごやかな雰囲気の中で熱心な質疑応答が続けられました。
NHKTV番組グレートネイチャー オマーンの制作の裏話を聴く会
2016年6月2日(木)夜、大崎にある創作家庭料理の店「楽」で4月25日(月)にNHKプレミアムで放映された「体感!グレートネイチャー‟アラビア神秘なる黄金の大地 オマーン”」制作の裏話を聴く会が開かれました。参集者は、会員17人と制作した海工房からの3名を加えた20名。
この会の開催をお世話いただいた岡部聰会員の司会で始まり、最初に海工房の門田修社長から「なぜオマーンだったのか」について、NHKのテーマが「グレートネイチャー」、海洋地殻が陸上に乗り上げているオマーンの特異な景観が決め手になったという話が紹介されました。
次いで、松本正平デレクターから、オマーンには海洋地殻という絶景ポイントがあった、砂漠の映像には文化的な色取りを加味した、つまりベドウインを登場させた、さらに洞窟への降下の安全対策やエンデイングの映像のプロとしての工夫等などが報告されました。撮影中オマーンの人の温かさやガイドが自宅の食事に招いてくれたオマーン人のホスピタリテイには感動したなどの報告もあり、番組理解のみならず会員一同のオマーン理解もいっそう深めることができました。
その後は、門田社長、松本デレクター、現地撮影に同行した宮澤京子さんに各テーブルの会員たちの中に入っていただき、さらに質疑応答を重ねました。
くつろいだ雰囲気の中での会は大いに盛り上がり、1時間近くも予定時間をオーバーして9時過ぎに終了し、参加者は満足して帰路につきました。