イベント情報

講演会「銅鉱床探査とそれを通じて知ったオマーンという国」が開催されました

2023-07-24

7月1日、本年2回目の講演会「私が行った銅鉱床探査とそれを通じて知ったオマーンという国」がオンラインで開催されました。講師は地質の専門家であり、世界各地で鉱物資源の探査をされてきた柴田芳彰さんです。オマーンの銅鉱床がテーマとあり現地マスカットからも複数のご参加をいただき50数名が参加されました。

柴田芳彰氏

当クラブの理事であり三菱マテリアルテクノ㈱でご活躍になった柴田さんは、主としてJOGMEC/JICAの資源探査や鉱業関係プロジェクト(東南アジア、モンゴル、アルバニア、南米、中東)に関わられてきましたが、オマーンでは1980年~2001年の間、3回にわたるマンガン鉱床や銅鉱床の探査プロジェクトに深く関わられました。

ご講演では柴田さんが1990年代にオマーンで探査・発見された銅鉱床が最近になってオマーン企業により開発が開始されているとのニュースを交え、優れた電気導性等の銅の特性や合金としての需要など従来の重要性に加え、近年の自動車のE V化や車内の電装品など、ますます増加する銅の重要性を説明されました。そして地表からは見えない地下資源、特に銅の鉱床はどのように探査・発見するのかを中心に解説されました。

オマーン北部は紀元前3000年の昔からマガンと呼ばれており銅の産地として知られていたとか。

ソハールやヤンクルでは銅製錬の跡や製錬後にできるカラミ(slug)を今でも見ることができるそうです。

天然資源の豊富なオマーンの中でも銅資源はオマーン山脈沿いにその存在が知られており、その探査は地質調査に始まり、電気探査→電磁探査を経てボーリング掘削へと進行するとのこと。

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特に電気・電磁探査では電線を張ったり、穴を掘ってその穴に塩水を投入することが必要で、数十人の人夫を雇って、毎日炎天下作業を進めたそうです。

その間1ヶ所に約3ヶ月家を借りて滞在したそうですが、翌日すぐに作業に取り掛かれるよう準備し設置しておいた電線が夜間に盗まれたことや、コックとして雇ったインド人が前日までトラックの運転手だった人物で、「お前、料理もできるのか」と聞くと「できる、いろんな種類の料理ができる」との返事で、「どんな料理か」と聞くと「チキンカレー、ビーフカレー、〇〇カレー、✖️✖️カレー・・・」と3ヶ月毎日カレーだったこともあるそうです。人里離れた荒涼とした地域では、気候や慣習の違いのみならず、食事の点でもご当人しか分からないご苦労が多々おありだったことでしょう。それでも漆黒の闇の中で遭遇した満天の星空はとてつもなく美しく、言葉には表せない今までに感じたことのない不思議さと畏敬の念を抱かれたそうです。

最後に最近二酸化炭素の鉱物固定化として注目されているオマーンのオフィオライトに触れられました。オフィオライトとは『海洋プレートが大陸プレートに衝突して乗り上げた断片』でオマーンには世界で最も広く分布しているそうです。柴田さんはオフィオライトのスライドを見せながら「地質研究者にはよだれの出そうな場所なのです」と解説されました。

素人にはなかなか触れることのない分かりにくい資源探査や掘削など、専門的な内容をわかりやすくご説明いただき、オマーンの地質の特性を再認識させられたご講演でした。

「アイシャ夫人の料理教室」が開かれました

2023-05-20

 

2023年5月17日、東京広尾のオマーン大使館にて、日本オマーンクラブ主催『大使夫人によるアラブ料理教室』が開催されました。コロナウイルスの影響でこの4年ほど開催出来ませんでしたが、今回ようやく開催の運びとなりました。

          

お料理教室には総勢30名が参加しました。大使公邸5階にあるレセプションルームにて、オマーニコーヒーに舌鼓を打ちながら歓談し開始を待ちました。その後、大使夫人がいらっしゃり、ご挨拶がありました。続けて、夫人による映像を用いたオマーンの紹介が5分ほどあり、大使館スタッフの久保様の通訳も介しつつ、各地の遺跡や自然、スーク等の名所の他、オマーン人女性の着用する煌びやかなドレスなどの紹介がありました。中でも、オマーンの乳香の木は植樹が出来ないとのお話もあり、近年は増殖を目指しているとの事でした。

オマーン紹介の後、参加者はエプロンを着用し、レセプションルームの奥にあるお台所へ移動しました。今回の料理教室は、公邸料理人のヨセフさんと、大使夫人によるお料理の説明、材料の解説を聞きながら、質疑応答も交えての調理を見学する形でした。

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今回学んだオマーン料理は、

①オマーン風チキンカレー

②炊き込み御飯

③ババガヌース(見た目はフムスのようなもので、パンに付けて食べます)

④ルカイマット(丸く、ドーナツのような甘いデザート)

です。参加者は、レシピのメモを取りながら、お料理の方法を学びました。

見学後は、お待ちかねの昼食の時間。前述のお料理の他、サラダやオマーンから直輸入のジュースなどをいただきながら、歓談を楽しみました。

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また、食後のデザートの際には、大使夫人がオマーニ珈琲の作り方を実演しながら教えてくださいました。オマーニ珈琲にはカルダモン、サフラン、クローブなどが好みで加えられ、最後にローズウォーターを2〜3滴加えるそうです。

       

下に、※デザートのルカイマットの作り方を記載致しましたので、ご自宅でお試しになってはいかがでしょう。

デザートの時間も終えて一息付いた頃、なんと大使夫人がサプライズとして、オマーンの衣装を試着する機会をご用意くださいました。女性には数種類の美しいドレス、男性にはディスダーシャとクマ(オマーン男性お馴染みの白い洋服と帽子)が用意されました。

数に限りがあり、じゃんけんで勝ち残った7名の女性と希望した男性2名がそれぞれ試着しました。華やかなドレスとディスダーシャ姿で大いに盛り上がり、皆オマーン人になりきって写真撮影等を楽しみ>ました。

                               

今回のお料理教室はとても好評で、参加者は皆笑顔で帰途に着きました。

このような機会を設けていただき、大使夫人はじめ、オマーン大使館、並びに関係者の方々にこの場を借りて御礼申し上げます。今後も、このような行事を通してオマーンと日本の関係がより一層深まることを願っております。

 

※デザート、ルカイマットの作り方

 材料:

  小麦粉(薄・中・強どれでも可)    1カップ

  酵母(イースト) 大さじ1/2

        バニラ      小さじ1

  砂糖       大さじ1

  粉ミルク     大さじ1

  菜種油(サラダ油)   大さじ1

  水        適宜

  • ボウルに粉ミルク、バニラ、小麦粉を入れるて混ぜる。
  • 次に酵母菌をお湯にいれ、軽く混ぜます。
  • 混ぜたら、小麦粉の入ったボウルに入れて手でゆっくり混ぜます。そして菜種油を入れ、叩くように勢いを付け、混ぜます。
  • これを終えたら、半カップの水を入れ、更にかき混ぜます。(ネバネバになる位を目安にします。水は入れすぎないことで、料理教室では100ccを使用しました)
  • 2時間~2時間半休ませておきます。発酵して大きく膨張しますから、大きめのボウルに入れ、置いておきましょう。
  • 出来上がったら、一口大の大きさに丸く捏ねます。
  • 丸い型を取る道具を用いてもよろしいですし、夫人は手で捏ねる形を取るのがお好きだそうです。
  • 形が出来たら、ゆっくりと回しながら油で揚げます。片面だけ色が変わってしまったりしますから、常に回しましょう。
  • 最後に、ドーナツにはシュガーシロップか、ローズ水、デーツシロップなどを入れて混ぜて出来上がりです。

講演会「久々のオマーンを訪ねて」が開催されました

2023-05-14

 

2023年度の総会に合わせ、第1回講演会が、広尾の駐日オマーン・スルタン国大使館で5月10日(水)にて開催されました。講師はオマーン・クラブの会員であり、元・駐オマーン日本大使の森元誠二様です。森元様は、東京大学教養学部で客員教授を務め、『知られざるオマーン』など、オマーンに関する著作も発表なさっています。故カブース国王には、4回面会した経験があり、特に王位継承に関しての質問に「心配していない」との応答があったことを印象深く覚えているというお話から、御講演が始まりました。

カブース国王への拝謁は、ときに1時間を越え、流暢な英語で中東情勢や統治への考え方を聞くことができたと言います。特に「アラブの春」が中東地域を席巻した頃には、王位継承について、「少し突っ込んだ質問を投げかけてみたんです」と森元様は話します。その時の応答が、先ほど挙げた「心配していない」とのものでした。継承ルールを定めていること、何より統治王族の合意のなかで適切な人物が決まるだろうという自信が垣間見えたそうです。

実際に、2020年1月に即位したハイサム国王のもとで、オマーンが政治的にも経済的にも安定し、日本との関係もさらに深まっている点が紹介されました。サイイド・バドル外務大臣やラフマ・マフルーキー高等教育大臣など、有能な人物を官僚に登用し、「オマーン・ビジョン2040」のもとで、行政機構や法律面での改革が進められています。また、オマーン経済が回復傾向を見せ、国際的な格付けも「安定的」へと引き上げられたことは、将来への明るい材料であると指摘されました。石油価格の変動を注視する必要はありますが、財政的な安定は、オマーンに進出する日本企業にとっても良い兆しになっていると言います。実際に、オマーンで操業する日本企業は増加し、今後も両国の経済関係は進展していくだろうとの見通しが語られました。

 

お話の後半では、この3月に教養学部長を団長とする東京大学の訪問団がオマーンを訪問した様子が紹介されました。スルタン・カブース大学やマスカト大学、GUtechなど、オマーンの各大学との協議に加えて、オマーンの最新の様子も写真で紹介され、聴衆の旅情をそそりました。特に森元様は「スルタン・カブース・グランドモスク」内の色彩感覚に触れ、改めて故カブース国王の才覚に言及する形でお話を終えました。

       

懇親会の場では、会員同士のオマーンへの思い入れやエピソードが朗らかに交わされ、久々の対面での交流をみな楽しんだ様子でした。

2023年度の総会が開催されました

2023-05-14

 

2023年5月10日、東京広尾のオマーン大使館で2023年度の総会が開催されました。対面での総会は4年ぶりでした。多数の会員のご出席があり、冒頭にはブサイディ大使のご挨拶をいただきました。続いてジョーンズ会長が挨拶され総会が開始されました。

                 

今年の総会から紙の資料は配布せず、プロジェクターで投影された画像を見ながらの議事進行となりました。議事進行は新村事務局長が務め、議事はスムーズに運び、2022年度の事業報告、収支報告、2023年度の事業予定案、予算案、新役員の任命等、議題は全て賛成多数で可決されました。この4年の間に入会された会員に改めて紹介する意味も含め、最後に全役員の紹介がありました。

 

 

本年は対面・リモートの両輪を回しつつ、全国各地のみならず海外に在住の会員にもプログラム参加が可能となるよう務めていくことになっております。

総会に引き続き、森元大使による講演会が開かれました。講演会後の懇親会では、大使館からのコーヒーやデーツのサービスを頂きながら会員どうしの交流を深めることが出来ました。

 

4年ぶりに「イフタールの会」が開催されました(その2:関西)

2023-04-30

2023年4月14日に京都のハラールレストランで日本オマーンクラブ主催のイフタールの会(関西)が開催されました。2020年、2021年、2022年と、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、実施できなかったことから、4年ぶりに集まることがかないました!

京都で学ぶオマーン留学生4人、京都ノートルダム女子大学の学生4人、石川玲於奈さん、村岡静樹さん、そして鷲見朗子が参加しました。会わない間に京都へ来ていたオマーンの留学生には歓迎のことばを、以前にお目にかかったことのある留学生には、はじめましてという挨拶で会が始まりました。

 

日本オマーンクラブより事前に送っていただいたオマーン産デーツを最初に頂きました。たいへん美味でした。その後は日本人の学生が、オマーン留学生にオマーンの文化や観光地をスマホの写真で見せてもらいながら、教えてもらったり、逆に日本のことを話したりと、和やかな雰囲気でした。石川さんのオマーンでの昔話や村岡さんの最近のオマーンについての様子のお話に場が沸きました。

 

オマーン留学生のうち、お二人は京都での勉学を終えて学位も取得され、まもなく京都を去られるということで寂しくなりますが、また新しい留学生が来られるのを楽しみにしたいです。

密度の濃い語らいの時間があっという間に過ぎて、もうお開きになろうかという頃に、マフムードさんが日本人の皆さんにオマーンの乳香を1パックずつくださいました。貴重な贈り物に感謝し、大切にしたいと思います。

  別れる前に全員で写真をとりました。皆さん、笑顔でうれしくなりました。

最後になりましたが、このような機会を設けてくださったジョーンズ会長をはじめとする日本オマーンクラブの方々に心より感謝申し上げます。今後も日本とオマーン間の理解と交流が深まることを祈っております。

また以下に、参加した日本人学生のひとりが書いた英文の感想を記させていただきます。

           鷲見朗子

           京都ノートルダム女子大学

I experienced a lot of things and learned about Islam. Especially, I had some discoveries and thoughts about food culture and language from the iftar. In food culture, I learned iftar’s menu and taste. I was able to enjoy eating a lot of Halal foods such as curry. These are very delicious and spicy. Then, I knew most Muslims like this taste. Also, I was impressed by the language culture. At the iftar, Omani people enjoy talking in Arabic with Dr. Sumi, Mrs. Ishikawa, and Mr. Muraoka, but I couldn’t understand what they were talking. I thought what I studied Arabic is only a little and realized that there are a lot of things we don’t know and have not learned things around the world. I become more interested in Arabic and Islam, and Omani culture now than before. For the iftar, I learned it is important and necessary for us to challenge anything positively on understanding foreign cultures. (A Japanese participant from Kyoto Notre Dame University)

以上

 

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